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当院に関係する症状や治療方法について解説しています。


心臓カテーテル検査とは、手足の動脈からカテーテルと呼ばれる細い管を心臓の血管の入り口まで送り込み、カテーテルの先端より造影剤を注入して、心臓を栄養している血管(冠状動脈)の細くなったり、詰まったりしている部分を写し出す方法です。現在、狭心症、心筋梗塞の診断を確実に正確に行う為には、欠かせない検査となりました。このため、本院では島津製作所の心臓血管撮影装置を用いて患者さまの心臓病を安全に正確に診断出来るように努めております。
心臓病の診断を行うためにもっと簡単な検査や方法があればよいのですが、心臓を栄養している血管は大きい所で3mm前後であり、特に狭窄が起こる場所の血管の大きさは1~2mmであります。さらに、心臓は1分間に60回程動いておりますので、普通のレントゲン写真や心電図等のみでは正確な診断は困難です。心臓カテーテル法も次第に患者さまにとって痛みのない検査となりつつあり、現在では外来で半日にて終わることも可能となってきました。

島津製作所 「Trinias」

現在の心臓病の診断と治療に欠くことの出来ない検査となりましたが、利点と欠点があります。
利点は冠状動脈(心臓を栄養する血管)の狭窄、閉塞部位がどこにあるか、さらに狭窄の程度を正確に把握することが出来る点です。この結果により、本当に狭心症や心筋梗塞の病気であるのか、治療は内服薬が良いか、風船による拡張術(PTCA)が良いか、バイパス術の外科的手術が良いか、を決定出来ることです。
現在はその他にも心筋血管新生術(TMR)などの色々な治療方法が開発されており、患者さま個人個人に応じた最良の治療がカテーテル検査結果から可能となります。
欠点はやはり簡単に何時でも、直ぐに検査可能と行かないこと、又ときに検査中に造影剤等のアレルギ-、狭心発作が出現することです。必要な方々にするべき検査であり、むやみに不必要な方にするべき検査ではありませんが、専門家が行えば安全な検査となっておりますので、ご心配な患者さまは専門医にご相談されて、十分納得されて受ける事と考えます。



1.検査前

検査前に一度外来に来ていただき、カテーテル検査のために必要な血液検査等を行います。検査当日は午後から検査する場合は朝ご飯はいつものように召し上がっていただき、午前10時頃より水分の摂取を中止して11時~12時頃に来院していただきます。本院では、出来るだけ患者さまの検査後の負担の軽減を考えて、多くの人々に左右の手首より検査をするようにしております。このため、ご来院後、検査衣に着替えていただき、点滴を行うだけで準備は完了します。

2.検査中

カテーテル検査室では、仰向きにおやすみになっていただきましたら、手首の消毒を行い、カテーテルを動脈の中に入れるため、皮下に少しの麻酔をさせていただきます。一般に怪我をしたとき縫うのに行う麻酔と同じです。この麻酔が検査全体を通して唯一のチクッとする痛みです。その後はカテーテルが血管の中に挿入されますが、殆どの方は全く痛みはありませんし、あっても少し腕が重い程度であります。数秒間息を止めていただくご協力が心臓の血管を造影する時に必要ですが、その他は特に何もありません。検査中ウトウト眠る方もおられますし、ご自分の心臓の血管が写し出されるのを見ている方もおられます。造影検査自体は約15分にて終わりますが、検査室に入ってから始まるまでの時間と検査後の止血等の時間を合計すると、約30~40分程度必要となります。


画面に映し出される血管


3.検査後

検査終了後はお部屋に帰られてから約30分~1時間の安静をお願いしておりますが、30分後より水分を多く摂取していただき、体内の造影剤を早く体の外に出すように努めていただきます。点滴は約1~2時間にて終了しますし、歩行はお部屋に帰られた後30分程で可能となります。



検査のための医療保険での自己負担の費用は概ね下記の通りです。
(入院時に個室使用等の保険外費用を除く)

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